暴行罪
ボビーオロゴンが暴行の容疑で逮捕されたとのこと。
本件は、妻を殴ったとのことで分かりやすい暴行罪ですね。本人は「殴っていない」と否認しているようですが。ただ、殴っていなかったとしても暴行罪が成立するは十分にあります。
じゃあ暴行罪とは何なのか。条文を見てみましょう。
第208条(暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
はい、「人を傷害するに至らなかったときは」とありますので、表現を変えると傷害未遂罪ですね。
では傷害罪の条文も確認しましょう。
第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十年以下の罰金に処する。
条文を確認しても、漠然としていて、暴行と傷害の具体的な線引きは見えてきません。こういう場合には判例を参考にします。
詳細の事例紹介は割愛しますが、判例の考え方を踏まえると傷害罪についてはおおまかに以下のように整理できます。
- 身体の完全性を失わせること
- 生理的機能の障害を生じさせること
- 身体の完全性にしても、生理的機能にしても、日常生活において看過される程度を超えていること
前提として、傷害罪の保護法益(≒守るべきもの)は人の身体です。身体とは肉体面のみならず、精神面も含まれます。
ですので、たとえば嫌がらせ電話でノイローゼ状態にさせたような場合は、傷害罪になる、ということですね。
そして、暴行を働いたけれども、上記のような傷害の程度に至っていない場合、暴行罪が適用されることになります。
今回のボビーの案件は詳細不明ですが、ボビーは「殴っていない」というのだから、ひょっとしたら殴ってはいないのかもしれません。
しかし、殴ってはいなかったとしても、服を引っ張ったり、突き飛ばしたりしていたような場合は暴行罪に該当し得るのです。
さて、本件の真実は一体どういうものなのか。続報を待ちたいところですね。
それでは今日はこの辺で!